パンドラの箱~黒子の存在

私には黒子がいる


私だけでなく
本当はどんな人にだっているはずで
自分には黒子はいないというならば
その存在に気付いていないか、または


黒子の存在を認めようとしないだけだ


認めようとしないばかりか
排除しようとする

それはそうだ

黒子なのに
スポットライトを浴びようとして
表舞台に上がるから
世間に排除されるのだ



どんな人もみな自分のステージに立ち
それぞれの表舞台を演出する

学校、仕事、結婚、家族、、、
時には夢を語りながら
多くの人々に受け入れられるよう

清潔に
まっとうに
平和的に

出来る限り輝かしい
表舞台をつくりあげようとする

社会に、公に認められる舞台を表とするならば
その舞台上にあるものが全て
……であるはずがない


誰しも
黒子がいないはずはない


自分は表舞台が全てで、舞台裏などありません
という人がいるなら
私はその人を信用しないし
そんな人には興味もない





黒子はどちらかというと
異性である必要があるらしい

隣の女性より輝きたいのが女で
隣の男性に勝ちたいのが男だし
それが本音で
それが健全だとも思う

だから女同士、男同士の黒子では
不足だし、長続きしないように思う




私の最も重要な黒子は
もちろん男性だ


私の輝かない表舞台に
少しでも光を当てようと
黒子となって一生懸命支えてくれた

彼がいたから
表舞台に出る勇気が湧いた
夫との結婚生活がここまで続いたのだって
彼が黒子だったからだ


そして私もまた
彼の黒子だった
彼が笑ってくれるのが嬉しかった
彼の隣でステージに立つ女性を
私は直視したことはない


その必要がなかったから?
いやたぶん、黒子に徹する為だ
見ない方がいいと直感したものは
絶対に見るべきではない


私たちは
お互いにお互いの黒子に徹した


光の当たるステージへ立ってやろうなどという勘違いはしなかったし
お互いのステージを壊してやろうという気持ちも
微塵もなかった



だから上手くいった
ただ…
だからこそ深刻だ



ドロドロの関係にはなれないから
切れることがない

身体の関係で繋がっていないのに
心の中ではぴったりと繋がってしまって
離れない

お互いの精神に入り込んで
身体が繋がっているのと同じか、
またはそれ以上

連絡など何年もとっていないし
最後に会ったのが何年前なのかさえわからないが


でも
蓋を開ければ必ずそこにいてくれる
お互いの特別であることは
私も彼も確信している


一般的に言われる不倫って何だろう?
結婚している人が
異性と食事に行ったら?
手を繋いだら?
キスをしたら?
身体の関係を持ったら不倫?
好きになっただけで不倫なのか?

そんなことを
明るいステージ上にのせて議論しているのは
まだ軽~いやけど




じゃあ、私のしていることは?
法律で裁けない不倫なのか
一生消えない低温やけどの跡のよう

夫にも家族にも親友にも
私を知る誰にも
絶対に見せてはならない
このやけどの跡が


ずっと私を支え続けている






しかし

黒子不在が長過ぎたのか
私の表舞台に限界が来ているし

でもさすがに10年も会っていなければ
私の黒子がどう変化してるのか
見るのはちょっと勇気がいる



だけどやっぱり
蓋はカタカタしている…
問題はなぜカタカタしているのか…


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                       続く…